富士見町の空き家改修費補助金の活用事例

空き家問題は、大きな社会問題。ここ富士見町でも高齢化や人口減少などの原因により、今後、空き家 は増加する見込みです。 そこで、富士見町では、空き家を有効活用することで、空き家の発生防止と移住・定住者の促進を図る空き家改修費補助金制度を始めました。

こちらの制度の概要についてはこちらをご覧ください。
https://www.town.fujimi.lg.jp/page/akiya-hozyokin.html

居住を目的として空き家を改修する方に対し改修費用の3分の1(上限100万円)の補助を受ける事が可能になるという制度。

今回はその改修費補助金を使った事例をビフォーアフターでご紹介致します。

ご協力頂いたのは、埼玉県八潮市から富士見町に移住された竹原正人さん。

竹原正人さん
千葉県市川市生まれ 
2020年4月に家族(妻、4歳と1歳の子供2人)で埼玉県八潮市から富士見町に移住。
移住前は、東京の日比谷でコンサルタントの仕事に9年間従事。
大学卒業後、金融業や飲食業、小売業、そしてコンサルタント業を経験。その間に海外留学も経験した上で、移住後は接客業での起業を選択。

富士見町で貸別荘 富士見テラスガーデン別荘を運営している。
富士見テラスガーデン別荘 https://terracegarden.jp/
改修前後のビフォーアフターの様子と、実際にこの制度を如何に活用されたのか? を富士見町に移住した理由なども含めて伺いました。

田舎に住むなら古民家に住みたい

竹原さん
「移住して田舎に住むなら、是非古民家にしたいと当初から思っていました。歴史ある建物が空き家としてあるはずですし、ハウスメーカーが作るような都会でも見かける家は、極力避けたいと思っていました。あと、自分がイメージする田舎暮らしには、古民家が合うはずだ!と勝手に思っていました。今思えば、幸運でしかなかったのですが、今住んでいる自宅が、まさに理想としていた古民家でした。」
※改装前の竹原さん宅。外観はそれほどでもないが、内部はかなり改修が必要な様子であった事が見受けられます。
田舎に移住をして古民家に暮らすという思いがあった竹原さん。
では何故数ある田舎暮しの候補地から富士見町を選んだのでしょうか?

竹原さん
「当初、栃木県那須町と八ヶ岳周辺で迷っていたのですが、妻の助言と、登山が好きだったこともあり八ヶ岳周辺にしました。その後、周辺地域の北杜市、富士見町、原村に実際に来てみて町の雰囲気や不動産事情、商圏を調べたりして、最終的に、富士見町と原村に絞って不動産物件を探しました。結果、今暮らしているこの素晴らしい物件に出会えたことが、富士見町に移住を決めた理由です。」
古民家での田舎暮らしに憧れる人は少なくないと思います。ただし、改修無しでそのまま住めるような古民家は中々ないのが実情。その際にネックなのはその改修費用。一般的にはその改修費用を考えると新しく住宅を建てたほうが安いという結論になる方も少なくないようです。では何故そこまでして古民家を引き継ぐ事を竹原さんは決めたのでしょうか?

竹原さん
「当初から古民家狙いだったので、費用面では、購入費と改修費をトータルで考えていれば問題ないという判断でした。そして何よりも、日本の昔ながらの建物に興味がありました。外には蔵があったり、太い梁などは古民家の魅力です。それらをそのまま活かせる住宅は古民家しかないですよね。
そして、この古民家に決めた点は、なによりも敷地の広さと、庭からの眺望ですね。入笠山から甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山まで見渡せる景色は、一瞬で惚れました。一目見て即決しました。妻には事後報告でしたが・・・説得しました。他にも平屋だった点や、蔵があったこと、ご近所さんとの程よい距離感もよかったです。」

古民家改修にはどれくらい費用がかかる??その実情

一目惚れして即決をしたという物件。敷地の広さや庭からの景観は富士見町ならではの魅力ですが、その当時の物件はかなり修繕が必要な状態。
※修繕中の様子。住宅の基礎はそのまま使い、太い梁などはそのまま生かして徐々に修繕されている様子が見受けられます。
実際に今の状態になるまで、どのくらいの修繕費用が掛かったのでしょうか?竹原さんが包み隠さず教えてくれました。

竹原さん
「改修費はざっと1,200万円ほどです。ただし、屋根裏や床下の断熱と壁紙貼等は自分でやったり、設備も主に施主支給で行ったため、だいぶ絞り込んだ金額になっています。町からの補助はその改修費の一部として充当させて頂きました。改修費は、当初予定額よりはだいぶ膨らんでしまい、補助金がなければ、どこかを諦めなければならなかったので、非常に有意義に活用させて頂けたと思います。」
※リフォーム後の竹原さん宅のLivingと子ども部屋。当初からは見違えるように。

古民家改修のススメ

改修では、100年ほどの埃が詰まった天井裏や床下の断熱作業などは二度としたくない
(笑)と思うほど、実際には大変であったとの事ですが、結果として富士見町から支給される補助金やご自身で断熱や壁紙貼りを行う事により改修費を抑える事により古民家の魅力を十分に残しつつ、モダンに仕上がった竹原さんのご自宅。その完成を目にした時の率直な感想を伺いました。

竹原さん
「まずイメージ通りにできたので大満足しています。地元の不動産会社の方が、素晴らしいチーム(大工、建築士、設備屋、建材屋、石材屋)を組んでいただけたので、とても感謝しています。皆さんのおかげですね。
特にリビングダイニングの天井がなによりも気に入っています。
古民家らしく、昔の梁や屋根裏の根太や板をあらわしにしたのですが、昔の「かまど」や囲炉裏を使用していた時の「すす」が作り出した「ナチュラルブラック」の天井が何よりも最高です。また、近々薪ストーブをリビングに設置する予定なので、それも楽しみです。
※竹原さん自身が一番気に入っているという、古民家の素材を活かした天井と生まれ変わった寝室。
※全てを改修するのではなく、和室などでは、古民家の特徴をそのまま受け継いでいます。
※外観もこのように元々あった基礎は残したまま生まれ変わりました。寒い富士見町での断熱対策も十分施されています。

住宅が繋げる地域での暮らし方

古民家という言葉通り、その住宅には様々な歴史が詰まっています。そんな歴史を感じながら暮らすという事も古民家の魅力。そんな古民家に実際に暮らしてみての率直な感想を伺いました。

竹原さん
「実際に住んでみて自分でも想定していなかったのですが、ご近所の方が、
『昔、子供がよくあの家に遊びに行ってたのよ』とか『地下に野菜庫があったわよね』
とか言われることがあって、そういう思い出が詰まった家、歴史のある家を引き継がせてもらったんだという感慨深い部分はありました。そういうのっていいですよね。そういう事もあってか、集落に自然と馴染めている気がしています。」
※一番最初に竹原さんが惹かれたという住宅の周りの環境。田んぼももちろん竹原さん宅のもの。

古民家で暮らす富士見町。家族の評判は?

竹原さん
「家族は満足してくれています。自分達が選んだシステムキッチンやユニットバス、照明に満足していますし、特に広い家に住めたことが一番うれしかったようです。
子供は、広い庭と田んぼが敷地内にあるので、カエル取りができることが何よりもうれしいようです。自宅のある集落には、子供と遊べる町民広場や子育て広場、キャンプ場、乙事諏訪神社もあり、商業施設がある町中心部にも車で10分ほどでいけるので地域としても気に入っています。」

実際に古民家を改修する際は、土地建物を含めた購入費用に加えて大幅な改修費用が必要です。それでも竹原さんは、当初から古民家に住みたいという想いを叶え富士見町で暮らしています。
それにより新築では味わえない古民家がもつ歴史を継承するという感触、地域の方々と古民家を通した思い出を共有する事など、古民家だからこその経験をされているのではないでしょうか?
最後に竹原さんの経験より、これから古民家で田舎暮しをしてみたいという方へのアドバイスを頂きました。

竹原さん
「一番大事なことは、地元の不動産会社の方と、しっかりとコミュニケーションをとることだと思います。希望を伝えることは大切ですが、相手の持っている情報を聞き出すことも非常に重要です。不動産会社にはそれぞれ得意不得意があり、会社により持っている情報も違います。当然、担当者と自分との相性もあります。
DIYにしても、私は自分で一部作業を行いましたが、実は、移住前に6年かけて修行に近いことを少しずつ積み重ねてきました。それでも重要な部分は、やはり大工さんにお願いするべきだと思いますし、私もそうしました。
まずは、住居に何を求めるかをハッキリさせたうえで、物件価格、修繕費がどれくらいか、を幅広くリサーチし、不動産会社の意見も聞いたうえで、自分で取り組める領域をはっきりさせていくことが大切かなと思います。私も移住場所を八ヶ岳周辺に決めてから、今の自宅に出会うまでに結局は3年を費やしましたので、理想に近づけるならそれなりの準備が必要かと思います。」
※富士見町で竹原さんが経営されている富士見テラスガーデン別荘前にて。
次回はこちらの施設もご紹介致します。
今回は富士見町の空き家改修費補助金制度を使って空き家を改修した竹原さんの事例をご紹介しました。ウツリスムでは古民家を始めとした様々な物件などもご紹介していく予定です。富士見町では今回ご紹介した空き家改修補助金以外にも、この町で暮らしたいという方々に向けて積極的な補助を行っています。

詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.town.fujimi.lg.jp/life/6/36/223/
富士見町では、移住に関する相談を常時受け付けています。
興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

富士見町役場 総務課企画統計係
0266-62-9332 (TEL)
0266-62-4481 (FAX)
mail:soumu@town.fujimi.lg.jp

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