4⼈家族、気持ち良い環境で仕事と⼦育てがしたかった

偶然の出会いがいくつも重なって新⽣活をスタート

今回取材させていただいたのは、2022年3⽉に4⼈家族で横浜から富⼠⾒町に移住してこられた⻄⼭元気さんと美⽉さん。お⼆⼈はオーダー家具をつくる⽊⼯作家です。
動きたい気持ちと働き⽅の変化それと偶然の素敵な出会いがいくつもかさなって、富⼠⾒町に気持ち良い暮らしをみつけました。
これまで都市部での⽣活しか経験がなく最初は緊張感もあったというお⼆⼈に、移住のきっかけや現在の暮らしぶりなどについて、若宮に構える⼯場でお話を伺いました。

よろしくお願いします。 まずは⾃⼰紹介というか、今に⾄った経緯を簡単に教えていただけますか。

元気さん:
「⾼校を卒業したあと、バンドやったりアルバイトしたりしていました。そんなころ、東京の⾜⽴区の職業訓練校の存在を知ったんですね。そこの⽊⼯科っていうところに⼊って1年間勉強した後に、家具を作る仕事を6〜7年やりました。
2012年に結婚をして、同時に横浜で独⽴をして、その時からずっとオーダー家具をつくっています。今年で41歳になります。」

美⽉さん:
「今、4⼈家族ですね。上の⼦が8歳で⼩学校2年⽣、下の⼦が6歳で保育園児です。」

もう頑張って⾸都圏でやらなくてもいいかな

都会の息苦しさを漠然と感じていたという⻄⼭さん。いずれは良い環境で仕事や⼦育てがしたいという気持ちに、インターネットを使った働き⽅に変化してきたことが重なって、具体的に動き始めてから約半年というスピードで富⼠⾒町に移住を決めました。

なぜ移住されようと思ったんでしょうか?動かれたきっかけとしては、コロナの影響もありましたか?

元気さん:
「いや、それはほぼないです。でも、まあなんかちょっと息苦しい感じがね、都会の・・・。当時住んでいた所は、都会じゃなかったですけど。(笑)
コロナがあってもなくても、いずれ移住したいとは思っていましたね。」

美⽉さん:
「独⽴して最初のうちは知り合いのつてで仕事を受けたりしていたので、やっぱり東京の近くでやっていることに意味があったんですけど、横浜で10年やっているうちに、インスタグラムとかホームページで⾒ていただいたりするようになって、そこからネット経由でお問い合わせをいただいて始まるお仕事が増えてきたので、もう頑張って⾸都圏でやらなくてもいいかな、と思ったんです。
もちろんそれに加えて、⾃分たちも気持ち良い環境で働きたいな、っていうのが⼤きいですね。それに、やっぱり⾃然がいっぱいの良い環境で⼦供を育てたいというのもあって。
そうふわっと思っているうちに⼦供が⼩学校にあがったりとかして、⾏くなら早くしなきゃ!みたいな感じで。
それで具体的に動き始めたんです。動き始めたら割とすぐでしたね。半年とか。」

「ここがいい!」たまたま通りがかりにみつけた⼯場

⼯場になりそうな物件を探しているうち、たまたま通りがかりに⾒つけた物件に⼀⽬惚れ。そこで富⼠⾒町への移住を決めます。そのあと、⼯場のすぐ近くの古⺠家を賃貸することができました。
住まいを探す際、⾃作の椅⼦を持って相談に⾶び込んだという「富⼠⾒ウツリスムステーション」は、富⼠⾒町移住・定住相談室。令和3 年度の移住相談件数は約380 件にのぼり、富⼠⾒町への移住を検討している多くの⽅にご利⽤いただいています。
もともとは⼤家さんのお⽗さんの⾦属加⼯作業場だった場所を⽊⼯⼯場に
⼯場には家具作りに必要な道具が所狭しと並ぶ

物件ははじめから富⼠⾒町で探されていたんですか?

元気さん:
「当初は⼭梨や富⼠⾒町以外の物件をいくつか⾒たんですが、⼯場になりそうなところはなかなかね・・・無いので、富⼠⾒町のちょっと上の別荘地を⾒に⾏ったんですね。で、そこに⾏く道中、たまたま通りがかりにここを⾒つけて、そのまま⼤家さんに⾒せてもらって、ここがいい!と。本当に偶然。ここがなければ富⼠⾒町じゃなかったかもしれない。あれは去年の今頃かな。10 ⽉の初旬とか。本当にもう、1 回⽬で。⾒つけた!みたいな。」

では、まずこの⼯場が⾒つかって、その後は住むところを探したんですね。

元気さん:
「そうですね。最初はね、なかなかいい家もないよ、って話だったんで。まず⾃分でアパートとかを探しました。」

美⽉さん:
「ネットでアパートの物件とかを探して。でも、⼦供2⼈、4⼈家族で住むような⼤きさの物件ってなかなかなくて・・・。」

元気さん:
「そんな時期に岐⾩の⾼⼭で家具の展⽰会があって、その帰り道に役場の「富⼠⾒ウツリスムステーション」に、⾃分の作った椅⼦を持って⾏って、「僕こんな感じなんだけど、助けてください」って(笑)そうしたら、当時のご担当者さんですごく⼀⽣懸命な⽅がいらっしゃって、ここのすぐ近くに家が空いてる!と。その場で電話してくれて。その時は、貸すという話にはならなかったんですけど、その後にもいろいろ⼿配してくれたみたいで。後⽇「借りられることになりました!」と。古⺠家なんですけど。」
⻄⼭さんが「富⼠⾒ウツリスムステーション」に持ち込んだ椅⼦。
Crescent chair w550×d470×h710mm SH430mm
Crescent stool φ275mm×H555mm
美⽉さん:
「具体的にこの⼯場を借りることが決まっていたっていうところが、やっぱり決め⼿になったのかな、と。」

元気さん:
「家族みんなで引っ越して来たのは、3⽉の終わりですね。⼦供の転校のタイミングを考えて、春休みに。その前に、1⽉と2⽉は、僕1⼈で⼯場を改装したりしながらここに寝泊まりしていました。」

⼦どもたちは外にいることが気持ち良いんだとおもう

富⼠⾒町に移住して初めての夏休み。「⾃然がいっぱいの良い環境で⼦供を育てたかった」という、⻄⼭さんご夫妻のその願いは富⼠⾒町で実現しました。⼦どもたちにも変化があったようです。
⼯場からの眺望。「仕事終わんなかったら終わんなかったで、・・・今⽇はいいね、みたいな気持ちにさせ る」

お⼦さんたちは富⼠⾒町へ移住して初めての夏休みでしたが、どうでしたか?

美⽉さん:
「横浜にいた時の夏休みは毎⽇ずっと保育園だったんですけど、こっち来てからは保育園にも夏休みがあったんで、だいたい毎⽇遊び歩いていましたね。こっちに来て初めての夏だったんで。」

元気さん:
「新潟の海に⾏ったり。なんやかんやで⼟⽇なんかはほぼ毎週。」

美⽉さん:
「そうだったよね。こっちって結構観光地もあるから、夏休みで⾊々イベントとかあったりとかして、飽きないというか。」

お⼦さんたちに何か変化ってありましたか?

美⽉さん:
「特に下の⼦はもうずっと外にいます。家に帰ってくるのは⼣⽅。外にいることが気持ち良いんだと思います。」

元気さん:
「あとね、横浜にあんまりいなかった⽣物が・・・、いっぱいいて。カエルとかね。」

美⽉さん:
「カエルとか(笑)、もうめちゃくちゃいて。⿅も出ますし猿も出ますし。」

元気さん:
「その辺はかなり気に⼊っていますね。」

お⼦さんの姿を⾒ていて、なんか感じるところとかってあります?

美⽉さん:
「来てよかったね。」

元気さん:
「ほんと、それにつきますね。」

美⽉さん:
「⼦供も家と仕事場を⾃由に⾏き来したりできる環境っていうのは、お⽗さんが働いている姿をチラチラ感じられるところがいいかなと思っています。⾒ているかどうかわかんないけど(笑)」

富⼠⾒は多分、バランスが良いんだと思います

富⼠⾒町に移住を決めてから富⼠⾒町のことを調べ始めたという⻄⼭さん。住んでみると、むしろ都会より暮らしやすいと感じられているようです。
娯楽に関しても、もともと都会で得られるような娯楽にはあまり興味がなかったということもあり、⻄⼭さんご夫妻の求めるライフスタイルには、周囲に⾃然の中での遊び場が豊富な富⼠⾒町が合っていたのかもしれません。

美⽉さん:
「本当に偶然の出会いで、だからはじめは富⼠⾒町の良さはそんなに知らなかったんです。何の知識もなくここを⾒つけてから、富⼠⾒町について調べ始めたりとかして、そうしたらなんか意外とスーパーとか病院とかあってどうやら暮らしやすそうだ、みたいな。⼀か所に施設がギュッと集まっていますし。」

元気さん:
「あと、思ったより⽥舎じゃなかったかな、っていう感じはしますね。多分、バランスがいいんだと思います。
暮らすぶんには前のとこより楽かな。娯楽施設とかはそんなにあるわけじゃないかもしれないけど、むしろこっちに来てからのが遊んでいるなと。」

美⽉さん:
「例えば、富⼠⾒パノラマリゾートとか、⼊笠⼭に⺟と⼦供と3⼈で登ったりとか、⽩樺湖の⽅とか。ちょっと⾏けば楽しいところがいっぱいあるし。」

元気さん:
「しかも、横浜とか東京ってちょっと出かけようにも道路もすぐ混むけど、ここだったらすぐパッといってパっと帰ってこられるんで。」

美⽉さん:
「だいたいGoogleマップとかで調べた時間通りで⾏ける。」

元気さん:
「まえのところは仕事で都内に⾏くときなんかに、家から⾼速乗るまで1 時間かかっちゃったりするんですよ。そんなストレスがないという時点で、ね。その点では、っていうか全ての点において僕は暮らしやすいと思っています。」

来た頃にちょうど御柱があって・・・

地域のつながりが希薄な都市部での⽣活しか経験のなかった⻄⼭さんご夫妻。最初は緊張感もあったといいます。
しかし、ここでもタイミングの良さと偶然の出会いが重なりました。
⽥舎というと閉鎖的なイメージがあるんですけど、この辺は暮らしてみると全然そうではないそうですね。

元気さん:
「なんかこう地域の⼈たちとの関わりもやや⼼配ではあったんですけど、全然もう、何でみんなこんないい⼈なの、っていうぐらいで。」

美⽉さん:
「集落のど真ん中の家を借りることになって、あんまり移住者の多いところではないんですけど、すごく優しくしてくれるんです。都市部でしか⽣活したことないんで、最初はそこら辺はどんな感じなんだろうと・・・ちょっと緊張感もあったんですが。」

元気さん:
「来た頃に、ちょうど御柱があって・・・御柱ってどんなもんだろうとは思っていたんですが。そうしたら、⼤家さんに「どう?」みたいに誘われて。」

美⽉さん:
「⼤家さんが御柱祭りが⼤好きな⽅だったんです(笑)」

元気さん:
「ここに来たからには、と思って、本祭のほうで曳⼦を⼆⽇間やらせてもらいました。そこでちょうど、こちらに来てすぐに地域の⼈に挨拶できたみたいな、ね。みなさんすごく優しくしてくれて、顔も覚えてもらえて。意外とこの辺にも同世代ぐらいの⼈がたくさんいてみんないい⼈だし。お付き合いするのが移住組だけになっちゃうのは嫌だな、とは思っていたんで。」

美⽉さん:
「きっかけになったよね。」

元気さん:
「本当に、タイミングですね。七年に⼀度なので。ウツリスムステーションのご担当者さんも、これは縁だ、縁だと、何回も(笑)」

富士見町に定住したい

なんかすっごくリラックスされてますね(笑)

元気さん:
「いやもうこの景⾊がすごく気に⼊ってここも決めたとこあるんで、最⾼ですね。もう⾔うことなし。仕事に追われてどうのこうの・・・というのはあまりないです。仕事終わんなかったら終わんなかったで、・・・今⽇はいいね、みたいな気持ちにさせる。⼭が(笑)
あと、このへんはお⾵呂もいっぱいあるし。」

仕事終わって温泉とかいいですよね。もしかしたら取材だからいいことだけ⾔ってくださるのかと思っていたんですけど、でも表情⾒ていると本当に、ここにずっと定住したそうですね(笑)

元気さん:
「もうそのつもりで来ているので。この辺りには必ず定住したいというのはあります。」

お仕事の⾯では、何かこれからのビジョンはありますか?

元気さん:
「今まではオーダーを受けて作るスタイルだったんですけど、今後はちょっとずつ、・・・こんな椅⼦とか、⾃分たちのオリジナル商品を売って⾏く感じのやり⽅にシフトしていきたいなと。いいペースでいい感じで進めていきたいなと思っています。
オーダー制作は、どうしてもお客様のいろんな要望をまとめなくてはいけないので、時間をかけて考えてその都度図⾯を引いて・・・。やっぱり⼤変なんですよ。もちろんオーダーしてくださる⽅がいるので、それはやめるつもりはないですけど。
今後は、ふるさと納税への出品を始めとして、できたものを⾒てもらって気に⼊ってもらえたら買っていただく、っていう⽅向にちょっとずつ変えていきたいと思っています。」
 
Dining tableとCrescent chair。Crescent chairは三⽇⽉をイメージしたという座⾯が美しい。
美⽉さん:
「そうですね。あとは、野菜とかをつくってみたいというか。みなさん⾃分のところで⾷べる分は、⾃分のうちで作るみたいな⽅がおおくて。そのおすそ分けとかいただいたりとかすると、みんな美味しいんですよ。」

元気さん:
「都会に⽐べてやっぱりこのへんの⼈って、⾃分のことは⾃分でしよう、みたいなところがあって。軽トラ乗って、道具持って。専⾨的なことはできなくても、ある程度のことはみんな⾃分でやるじゃないですか。それで、もちろん野菜も作ったりしていて。なんかこう、それすごくいいなと思って。」

美⽉さん:
「都会の⼈よりも⽣きる⼒を感じますね。」

元気さん:
「すごく野菜くれるし(笑)だからまあ、ちょっと野菜を返せるぐらいのことにはなりたいですよね。」

美⽉さん:
「今のところはお世話になる⼀⽅で。」
今回は、2022 年3 ⽉にご家族四⼈で富⼠⾒町に移住された、⽊⼯作家の⻄⼭さんご夫妻にお話を伺いました。
きっかけは偶然でしたが、いまでは富⼠⾒町での暮らし、仕事、⼦育てにすっかり満⾜され、とてもリラックスした雰囲気の中でのインタビューとなりました。
富⼠⾒でつくられる⻄⼭さんご夫妻の家具が、富⼠⾒の新しい魅⼒の⼀つになって⾏くのかもしれませんね。

富士見町では、移住に関する相談を常時受け付けています。
興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

富士見町役場 総務課企画統計係 富士見ウツリスムステーション
(TEL)090-1119-9332
mail: utsurisumu@town.fujimi.lg.jp

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