富士見町にUターンしたWEBディレクター 自然と農がある日常 ~秋~

秋、紅葉の茶色は八ヶ岳の上から裾野に、そして我々が住む里に下りてきます。事務所から日ごとに色が変わっていくその様子を見るのが毎年の楽しみで、里まで茶色になるとこのような景色が広がります。

秋は実りの季節

夏の間草取りをしてきた我が家の田んぼも、秋にはいよいよ稲刈り。年によってお米の採れ具合は違いますので、今年はたくさん取れるか、一年間家族が食べるだけのお米が確保できるか、ドキドキする時でもあります。

田植えと同じように、我が家の稲刈りは(子どもが手伝ってくれる限り)手で。機械を使うのとは違ってものすごい重労働なのですが、「これもまた体験」ということでそうしています。小さい頃からやっている子どもはもう稲刈りも慣れたもの。刈り取った稲の束を、ワラで器用に束ねていきます。

そんな稲刈りをしながらの楽しみは、田んぼの迷路づくり。手で刈り採るからできる特別な遊びです。

この年はこのような迷路が作られていきました。
完成した迷路はこのような形になりました。

迷路遊びが終わったら、稲を全部刈り取りハゼかけ。 2週間ほど乾燥させてから脱穀になります。
1年間かけて育てたお米を口にするのはとてもうれしい瞬間です。 私のところではご飯を玄米でいただいていますが、この日は、畑で採れたサツマイモと一緒に炊いたサツマイモご飯。秋だけの特別品です。
さて、田んぼとともに、畑でも秋の収穫です。 大豆や小豆、冬のキャベツや白菜、ニンジン、大根、ゴボウ、ネギ、カボチャ、野沢菜などを収穫して、冬に保管できるようにします。駆け足でやってくる冬に追い立てられるように、もうそれはそれは家族で大忙し。
毎年楽しみなサツマイモの収穫
庭で焚火をして、焼き芋で収穫のお祝いです
冬に大活躍の長ネギの収穫も大切な秋の行事
これまた冬に欠かせない白菜。我が家では20個ぐらい収穫します。
小豆は収穫した後、少し乾燥させサヤから小豆を取り出します。
このように秋の収穫もやることいっぱい。大急ぎで収穫・片付けをしていきます。
よくよく考えると、春から夏、秋にかけて、ほぼ毎週末、田んぼや畑の作業、さらには庭の草刈りをしています。「あいつはUターンしてのんびり田舎暮らしをしているに違いない」と、東京の友人には思われていますが、それどころか、平日も土日も仕事に農作業に走り回っているのが実際の暮らしです。

これは笑い話ですが、自分が子どもの頃、家の田んぼの畑の手伝いをするのが嫌でした。ですが、いざ大人になってみたら家族で田んぼや畑をやるためにUターンしたばかりか、子どもにも農作業を手伝ってもらいお米や野菜をいただくことに幸せを感じるのですから、本当に不思議なものです。
きっと、幼い頃、富士見の自然の中で育つうちに、何か「宝物」が心や体に蓄積されていったのかもしれませんね。

この時期だけの特別な景色

秋、富士見町はあちこちが色鮮やかな景色に彩られます。春から夏は「緑と青空」がいっぱいの高原ですが、この時だけは、赤や黄色、茶色に包まれる特別な景色になります。
紅葉の始まりの時期、緑・黄・赤のグラデーションの紅葉が見られます
この時期だけの赤い絨毯に心躍ります
こちらは黄色い絨毯(富士見公園の紅葉です)
山全体が紅葉している景色が見られるのが富士見町。
山全体が茶色に紅葉した八ヶ岳の景色も大好きです
稲刈りの時期、こんなに気持ちいい富士山が広がります。 すぐ身近にある当たり前な景色ですが、写真に切り取るとまた特別な感じがします。
森や林だらけの富士見町は、雨の翌朝にはいつもの道が特別な景色に一変しまず
秋は雲海が発生する時期でもあります。 富士見町のこの小学校は雲海を見下ろしていて、まるで天空の小学校です
富士見町では春は「冬と春の綱引き」、秋は「秋と冬の追いかけっこ」です。 時に、冬が秋を追い越してしまうことがあるのですが、その時はこのような景色が見られます。
私はいわゆる「IT」と呼ばれる業界にかかわっていますので、コンピュータとにらめっこの日々。ですが休憩のために一歩外に出ると、毎日違う表情を見せてくれる八ヶ岳や富士山の景色が目の前に広がり、そこはもう別世界。私はこの地で暮らしているので「ワケーション」とは表現しませんが、おそらく見ている景色はそれと同じです。

加えて、ご紹介してきたように週末は田んぼと畑で農作業。パソコン操作と農作業という両極端な世界を行き来していますが、そんな暮らしが今はとても気に入っています。

東京に住んでいた時見た移住に関する雑誌で、地方に移り住んだ農家の方がこんなことを言っていました。

「東京に住んでいる人にとって土が服につくのは汚れだけど、ここに住んで農業をしている自分にとって土が服に付くのは汚れではなくて勲章です」

今、この言葉が実感としてとてもわかります。

ものすごい変化が速いITと、1年かけてゆっくりと育つお米や野菜。
この両方を行き来する、自然と農がある富士見町の暮らしです。

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