富士見町へトレーラーハウスで移住

富士見町へ移住した人。
今回ご紹介するのは、埼玉県三郷市生まれ、29歳の篠田雄輔さん。
職業はフリーランスのサウンドエンジニアです。
毎週末、都心と富士見町を行き来して、現在2拠点生活を送っています。
篠田さんは、奥様と二人トレーラーハウスに暮らしています。このトレーラーハウスは、おそらく私たちが今まで抱いていたトレーラーハウスのイメージを、大きく変えてくれる居住空間となっています。

篠田さんがここ富士見町で、なぜトレーラーハウスで暮らすことになったのか。
そこには様々な人との運命的な出会いと、自身の生き方に対する強い想いがありました。

埼玉県から富士見町へ移住。そのきっかけは?

篠田さん
「2015年フリーランスになって2年目、売上が上向きになり、機材投資にお金を掛けました。それでも当時、大手の企業とは買う機材の資本規模が違い、いかに自分が頑張ったところでその資本規模には遠く及ばないということを痛感したんですね。お金の膨らませ方、余分なオーバースペックの機材を持ち込んでの仕事の仕方に疑問を持ち始めるようになりました。」

またその当時、地方の商店街の活性化のイベント制作に携わっていた篠田さん。一回で終わってしまうイベント、商店街が本当に盛り上がるために繋がらない、継続的にその後もお客さんが通ってくれるわけではないという仕事にも疑問を持ち始めます。

「今まで自分のやってきた仕事が、お金を稼ぐために仕事をすることもあるが、”本当に必要なものを世の中に提供できているのか?”そう感じた時、稼ぐことが嫌になってしまった。」

そんな時に、『半農半X』という本と出会います。できる限りを自分で生産しながら、必要な分だけお金をを稼ぐという生き方。
当時26歳だった篠田さんは、奥様と話していく中で、失敗してもまた取り返せる。一度移住してみようと決断します。

「仕事を大きくするのではなく、人生を豊かにするほうが楽しみだと考えるようになり、『移住』という決断をしました。住む場所を考えた時、一人旅で長野を訪れた時の居心地の良さ、空気の綺麗さに惹かれました。住むなら長野だと思いました。」
トレーラーハウスの前には蕎麦畑と八ヶ岳が見渡せる風景が広がります。

長野県の中でも何故?富士見町を選択したのか?

「以前から自分たちが理想とする生活を実現しているブログの記事を見ていました。それが移住したいと思ったきっかけとなり、こんな生活ができる場所はどこだろうと探していた時、銀座長野で開かれた2拠点移住セミナーに参加することになりました。その時に偶然森のオフィスを運営している津田さんが登壇していて、その記事を書いたのが津田さんだとわかりました。」

篠田さんは、津田さんと知り合ったことで、富士見町に移住することを決断。
その後も人との出会いによって、富士見町での音響の仕事に繋がっていくなど、人との縁に恵まれたそうです。

2拠点生活は思っていたより、お金が掛かりません。

「2拠点生活を始めてみて、思った以上に自分たちは生活する上でお金がかからないということがわかりました。 毎週高速バスでの移動に月2万円の交通費。これは東京で娯楽に費やす費用と比較してもそんなに変わりありません。お金の使い方として、山菜を買ってきて調理したり、梅を漬けたりと、生産的な趣味にお金を投下するということは、消費活動をするよりもかからないし、何よりも自分たちの気持ちが満たされます。頻繁に飲みに行くことを考えたら、交通費を差し引いても出費の心配をしなくても大丈夫だと思いました。」

何故トレーラーハウスだったのか?

「何件か物件も見ました。空き家のリノベーション、別荘物件の購入も、実現の一歩手前までいきました。しかしどれもが様々な理由で実現までいかず、次に考えたのがタイニーハウス・コンテナハウス、セルフビルドでした。先に宅地を購入し、この場所に何を建てるかを考えた時に、トレーラーハウスを購入することを決めました。」

篠田さんは、何故トレーラーハウスを選択したのでしょうか?

「数年後、数十年後の、自分たちの選択の自由度の高いものを買ってみたいと思いました。」
・いざという時に家ごと移動の出来る家。
・中古市場に卸した時に資産価値の流動性が非常に高い家。
・家と土地が別々に売れる家。
・固定資産税のかからない家。
・セルフビルドと既存建築の間の家。
トレーラーハウスは、動かそうと思ったらその日のうちに移動の出来る家です。」
しかし千葉県柏の工場から富士見町へ運んでくるのは、なかなか大変。。
トレーラーハウスは、本来道路を通ってはいけないもの。基準緩和申請という申請が通るのに半年かかりました。そのくらいトレーラーハウスを運ぶのは大変なことなのだそうです。

篠田さんのトレーラーハウスは、大手のトレーラーハウス専門業者ではないところにお願いしました。自分たちの感性に合うトレーラーハウスになかなか出会えなかった時、「イーグルバレー」というスタジオ家具などを手掛ける会社が、試作として作っていたトレーラーハウスをみて、ここにお願いしようと決めたそうです。
篠田さん夫婦のこだわりの詰まった、シンプルで機能的な暮らしが実現しました。

トレーラーハウスでの暮らしは、普通の家とどう違うの?

トレーラーハウスに住んで1年。
生活に必要な居住空間はそんなに多くないこともわかってきたといいます。
篠田家は、3m×10mの30平米。6畳間3つ分の広さ。坪数にすると9坪。夫婦二人で生活するぶんには十分な広さがあります。
物の収納は、物置を外に設置して使う事で解決。オール電化で下水も繋がっています。暖房は蓄熱暖房を使用していて、夜間電力の安い電力で熱を貯め、一日掛けて放出される仕組み。家具は全て無垢材を使っているので木が蓄熱して、一日中家のどこにいても温かいそう。冬でも20度を保っています。これは30平米の広さだから実現できたことです。

「生活に困ることはまったくありません!」

富士見に住んでみて改めて思うこと

「歩みは自分が考えていたよりも遅いですが、少しずつ、富士見町のイベントやコンテンツ作りの企画会議に参加しています。
畑を始めてからは、近所のおじいちゃんおばあちゃんが声をかけてくれて、やり方を教えてくれたり、余った野菜を分けてくれたり、人との交流が生まれて地域に入ってきた実感が持てるようになった一年でした。」

生産的な生活。
ミニマムな暮らし。
自然に囲まれた生活。

移住をしてやりたかった暮らしを、篠田さんは少しずつ実現させている、今まさに只中にいます。
「移住してからやり始めたことが、自分のイベント制作の幅を広げてくれるようになりました。今自分が面白いと思い興味を持ってやっていることが、ガチッとはまる瞬間があります。だから続けていくことで、その先に将来の展望がみえてくるのではないか。決めてやるのではなく、続けた結果、見つかるものがあるのではないかと思っています。」

まさか移住するとは。まさかトレーラーハウスを買うとは。まさか長野県で地主になるとは。篠田さんは、自分が想定できている未来像とは、飛び出たところの選択を、今まで重ねてきました。

「今見えていないところに正解はあるのでは。決めないという選択もあると感じています。
とはいえリスキーな選択だともおもっているので、暴挙にはなりたくはない。
自分の財務など、資産形成の下地がある上での選択でないといけないと思っています。」

人と違ったことがやりたいわけではない。自分がいいと思うことが、もしかしたら人とずれていることがあるかもしれない。その時に、自分が本当にやりたければやるだけ。

自分を信じて動く強い意志と決断力。篠田さんのカラッとした笑顔とお話は、移住を考えている方のこれからの指針となるのではないでしょうか。
富士見町では積極的に移住したい方のサポートをしております。 移住に興味のある方、一度訪れてみたい方は是非こちらからお問い合わせ下さい。

富士見町役場 総務課 企画統計係
TEL:0266-62-9332
Email:kikakutoukei@town.fujimi.lg.jp

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