富士見町で新規就農 菊農家 相馬信行さんの場合

成功も失敗も全て責任が取れる仕事がしたいと思ったんです。

福井県で12年間サラリーマンをやられていた相馬さん。現在は富士見町の就農支援を受け菊農園を営まれております。退職されてから、富士見町で新規就農をすることになったきっかけや、新規就農者に対する富士見町の支援、また、相馬さんから見た、農業をする上で重要なことなどをお聞きしました。

富士見町での出会いをきっかけに新規就農へ

「12年間勤めた会社をやめて新しいスタートを切るとき、成功しようが失敗しようが全て自分で責任が取れるような仕事がしたいと思ったんです。
ですがそのとき思い浮かんだ職業がどれも自分の中であまり現実味がなくて。
そんなとき目に留まったのが、当時趣味でやっていた家庭菜園でした。
やった分だけ美味しいものが収穫できるし、失敗したってそれは自分の責任になりますし。世間もちょっとした就農ブームだったこともあり、農業について調べるようになりました。
しかし、調べても調べても自分が農業で生活している姿が想像出来ず、だったら思い切って1年間農業の勉強をしようと思い、八ヶ岳中央農業実践大学校に入りました。
八ヶ岳中央農業実践大学校に入って割とすぐに、それまで見えてこなかった農業で生きていく姿、今後のビジョンが見えたんです。それから富士見町での様々な人たちとの出会いもあり、農地や育てる品目など、より具体的に就農が形になっていきました。ある時役場の人と話す機会があり自分が富士見町に来た経緯を話すと『あなたのような人を待っていたんです。ぜひ富士見町で一緒に農業をやりましょう。』という積極的で前向きな言葉をもらって、富士見町で新規就農をすることを決めました。
相馬さんの菊農園 周囲は山に囲まれた絶景です。

町全体が新規就農をサポートしてくれたんです。

「八ヶ岳中央農業実践大学校を卒業後、長野県の制度である里親研修という研修に入ったのですが、その時に周りの皆さんがものすごく応援してくださったんです。地元の農家さんであったり、JAや役場を含め行政の機関もそうですし、地域の方々もサポートしてくださり、難しいことや面倒なことは皆さんがフォローしてくださり、自分はとにかく一生懸命にやればいいという状況を作ってくれたんです。それはすごくありがたかったですね。」

夏場は農家は戦場と言ってもいいくらい大変なんです。

「僕たちのようにここ八ヶ岳周辺で農業をやっている農家は夏場の3~4ヶ月で1年分の収益を得なければならないんです。毎日休みなく仕事するのは当たり前で、何日も徹夜して作業することもあります。それぐらいやらないと生活していけないんです。

特に夏場は戦場です。そんな甘くはありません。大変なこともありますが、この仕事は進んで自発的に選んだのであって、やらされている仕事ではありません。その時の状況を見て、やるべきことを自分で考えて自分で決めることができます。

ただ、そんな慌しい中でも、ふと顔をあげれば素晴らしい八ヶ岳の景色が広がっています。そう言った面で言うと、サラリーマン時代に感じていたストレスは全くないんですね。」
「人の意見を聞いて、自分の考えを修正できると言うことは農業をやる上でとても大切だと思います。農地は自分だけのものではないですからね。周りの方々の多くのサポートあっての農業ですから。
また、農業は様々な能力が必要な仕事だと思います。体力はもちろんそうですが、周りの方々とコミュニケーションをとる事、また薬の撒き方一つとっても正確な知識が必要ですし機械の故障やハウスの設備などある程度は自分でできた方が良いでしょう。
農業ほどこんなにオールマイティな才能が必要な仕事はないと思います。そういったことも知ってほいしいですね。
新規就農をすることは開業をするということでもあるので、もちろん開業費が必要になってきます。農業を始めるにあたってある程度の初期投資が必要になるということは知っておいた方がいいと思います。もちろん役場からの就農支援などもありますが、無一文で農業を始めるのはかなり厳しいと思います。

また、農業は”業”であることを忘れてはいけません。生活していくための収入を得なければなりません。そういった現実的なことも考えた上で農業と向き合うべきだと思います。

理想だけで農業は語れません。」

同じ失敗は絶対に繰り返さないようにしてるんです。

「また僕が農業をやる上で大切にしているのが、同じ失敗を繰り返さないということです。一度失敗したら必ず改善策を練るようにしています。それがダメだったら、その結果を踏まえてさらなる改善策を・・・。”これだけやってダメだったのならしょうがない”は私の中にはありません。今年よりも来年の方がいいものが作れるようにと、常に心がけていますね。」

楽ではない。だけどやっぱり楽しい。

「僕も最初は富士見町で新規就農をすることは憧れでしかなかったけど、実際に農業をやってみてやはり甘くはないんだということが分かりました。これから新規就農を考えている方は、そういったこともわきまえた上で新規就農に向き合ってほいしいと思います。
決して楽なことではありません。けど厳しいことばかりではありません。

やはりこれだけ素晴らしい景色や空気の中で仕事ができるのはすごく楽しいですよ。四六時中働いていても僕は苦ではありませんね。

そう感じることができる人が増えればいいなと思います。

人それぞれ思い描く理想も、なりたい自分も違うと思うけど、ここ富士見町での生活が理想に近いのであれば、ぜひ富士見町に来てほしいなと思います。」

今回は菊農園を営まれる相馬信行さんにお話を伺いました。
皆様はどう思われましたか?八ヶ岳を中心とした山に囲まれた自然の中での農業。
決して甘くはないその世界。厳しい面も勿論ありますが、それでも相馬さんはサラリーマン時代に感じていたストレスがなくやり甲斐を感じると仰っています。

また農業を支える街全体でのサポートも富士見町で新規就農する際の大きなメリット。

新規就農を真剣に考えている方。是非富士見町での新規就農を検討されてみては如何でしょうか?

富士見町の就農支援について詳しいお問合わせはこちら

富士見町役場 産業課 営農推進係
Tel:0266-62-9328
Mail: sangyou@town.fujimi.lg.jp

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