もし移住先が終の棲家となるのだとしたら、どんなことを考えないといけないのでしょうか? 今は元気でも、年老いたときに暮らせない場所では住み続けることができません。高齢者が安心して暮らせる場所かどうか、生活に必要な施設が徒歩エリアにまとまっているかは気にしても、認知症になった時のサポート体制まで考えて移住先を選ぶ人は多くないのではないでしょうか。今回行われた、「安心の地域づくり 認知症になっても暮らせる町づくり集会」に参加してきました。
サポートには地域のマンパワーが必要 50人以上が集まった集会の内容とは?
暖冬を実感しだした2019年12月8日、珍しく小雪が舞う日に集会は行われました。JA会館で行われた集会は今回で10回目。社会福祉協議会が主体となって、地域の基幹病院である富士見高原医療福祉センター(高原病院)や高齢者支援センター、富士見認知症サポートキャラバンメイトと呼ばれる支援団体の協力で開催されています。


今回は認知症の方が活躍できる地域作りがテーマ。先進的な取り組みで全国から注目されている上田市豊里のふれあいサロンの方がゲストトークをされるということで、人口約15,000人の小さい町ながら、実に56名もの参加者が集まりました。認知症の親の介護をしている方、自分自身の認知症が心配なご夫婦、支援施設の職員の方など、様々な背景を持つ方々がそれぞれの目的をもって集まっていました。
集会のスタッフの方に聞いたところ、認知症をテーマにした集会を定期的に開催し、これだけの参加者が安定して集まるのは他の地域ではなかなか無いそうです。認知症の高齢者とどうつきあっていくかという課題に対して、富士見町民の関心が高いことの現れだといいます。
関心の高さは認知症の方へのサポート体制にも大きく影響するといいます。現在富士見町では「見つけて会員」と呼ばれる徘徊者捜索サポートメンバーが65名ほど登録されています。町内放送とくみあわせ、徘徊でいなくなってしまった方を見つけ出してくれます。運用を開始して3年が経ちますが、こういったサポート体制を構築し運用するためには地域のマンパワーが欠かせません。「見つけて会員」のようなサポート体制を運用できるだけの人口と関心の高さが必要だということは、今回取材して初めて知ることができました。
集会のスタッフの方に聞いたところ、認知症をテーマにした集会を定期的に開催し、これだけの参加者が安定して集まるのは他の地域ではなかなか無いそうです。認知症の高齢者とどうつきあっていくかという課題に対して、富士見町民の関心が高いことの現れだといいます。
関心の高さは認知症の方へのサポート体制にも大きく影響するといいます。現在富士見町では「見つけて会員」と呼ばれる徘徊者捜索サポートメンバーが65名ほど登録されています。町内放送とくみあわせ、徘徊でいなくなってしまった方を見つけ出してくれます。運用を開始して3年が経ちますが、こういったサポート体制を構築し運用するためには地域のマンパワーが欠かせません。「見つけて会員」のようなサポート体制を運用できるだけの人口と関心の高さが必要だということは、今回取材して初めて知ることができました。
箱だけあってもダメだ 住民参加が成果を上げた上田市豊殿地区の事例
ところで、国が定めた認知症大綱をご存じでしょうか。
認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「共生」を目指し、「認知症バリアフリー」の取組を進めていくとともに、「共生」の基盤の下、通いの場の拡大など「予防」の取組を政府一丸となって進めていきます。 ※「共生」とは、認知症の人が、尊厳と希望を持って認知症とともに生きる、 また、認知症があってもなくても同じ社会でともに生きる、という意味です。 ※「予防」とは、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00002.html
ここで見えてくるのは、認知症は防ぐことができないということです。あくまで「発症を遅らせる」「進行を遅らせる」ことしかできず、すべての人々が認知症と共に生きる道を模索しなければならないのです。
ここで大切になるのは、発症しても希望を持って日常生活を送れる社会があるかということ。そこに注目したのが上田市でした。豊殿地区に特別養護老人ホームができたとき、「箱だけあっても意味が無いよね」と本質的な高齢者支援を模索しようという気運が高まり、住民参加がはじまりました。住民ボランティアの同窓会が基になり「オレンジサロン」が生まれました。テーマは「人生の総仕上げになるように」です。
ゲストトークは3名。ローマンうえだ前施設長 櫻井記子さん。豊殿ふれあいサロン運営委員会長 神林芳久さん。認知症の当事者でふれあいサロンHinata boccoの春原治子さん。特に春原さんは2019年3月に厚生労働大臣と意見交換し、認知症当事者の「希望宣言」に関わった人物です。
春原さんは自身の経験を通して、若い内から認知症について学ぶことの大切さを説きました。認知症患者のサポートをするために学び始めた当初、自分だけは認知症になりたくないと思っていた春原さん。ところが運命の悪戯か、春原さん自身が認知症になってしまいます。恥ずかしいことだからと認知症であることを隠す人が多い中、春原さんは勇気を出して認知症であることをカミングアウトします。オープンにすることで前向きな対策がたてられるようになり、周囲の協力も得られるようになりました。「自分が今まで認知症のことを学んできたから、自分の症状も受け入れられるようになった」と、早い段階から認知症について学ぶ意義を語っています。
現在春原さんは特別養護老人ホームの利用者ではなく、スタッフ側で活動しています。認知症当事者にもできることがあり、活躍の場さえあれば生き生きと希望を持って生活できることを身をもって証明しています。これも豊殿地区の住民の協力があったから実現できたことです。
認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「共生」を目指し、「認知症バリアフリー」の取組を進めていくとともに、「共生」の基盤の下、通いの場の拡大など「予防」の取組を政府一丸となって進めていきます。 ※「共生」とは、認知症の人が、尊厳と希望を持って認知症とともに生きる、 また、認知症があってもなくても同じ社会でともに生きる、という意味です。 ※「予防」とは、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00002.html
ここで見えてくるのは、認知症は防ぐことができないということです。あくまで「発症を遅らせる」「進行を遅らせる」ことしかできず、すべての人々が認知症と共に生きる道を模索しなければならないのです。
ここで大切になるのは、発症しても希望を持って日常生活を送れる社会があるかということ。そこに注目したのが上田市でした。豊殿地区に特別養護老人ホームができたとき、「箱だけあっても意味が無いよね」と本質的な高齢者支援を模索しようという気運が高まり、住民参加がはじまりました。住民ボランティアの同窓会が基になり「オレンジサロン」が生まれました。テーマは「人生の総仕上げになるように」です。
ゲストトークは3名。ローマンうえだ前施設長 櫻井記子さん。豊殿ふれあいサロン運営委員会長 神林芳久さん。認知症の当事者でふれあいサロンHinata boccoの春原治子さん。特に春原さんは2019年3月に厚生労働大臣と意見交換し、認知症当事者の「希望宣言」に関わった人物です。
春原さんは自身の経験を通して、若い内から認知症について学ぶことの大切さを説きました。認知症患者のサポートをするために学び始めた当初、自分だけは認知症になりたくないと思っていた春原さん。ところが運命の悪戯か、春原さん自身が認知症になってしまいます。恥ずかしいことだからと認知症であることを隠す人が多い中、春原さんは勇気を出して認知症であることをカミングアウトします。オープンにすることで前向きな対策がたてられるようになり、周囲の協力も得られるようになりました。「自分が今まで認知症のことを学んできたから、自分の症状も受け入れられるようになった」と、早い段階から認知症について学ぶ意義を語っています。
現在春原さんは特別養護老人ホームの利用者ではなく、スタッフ側で活動しています。認知症当事者にもできることがあり、活躍の場さえあれば生き生きと希望を持って生活できることを身をもって証明しています。これも豊殿地区の住民の協力があったから実現できたことです。
認知症になっても暮らせる町ってどんな町? 富士見町の参加者は何を思う?
豊殿地区の事例を聞いた後、集会参加者でテーブルを囲みディスカッションの時間が設けられました。様々な意見が聞かれましたが、共通していたのは「認知症当事者が参加するのが当たり前の町」であることでした。


認知症になったことを周囲に打ち明けられない人(本人だけでなく家族も含めて)が多いのは、それが恥ずかしいことだという認識によるものでした。この考えが続くと、次第に認知症当事者を社会から隔離する動きに発展します。
認知症当事者が参加するのが当たり前の町というのはまさにその逆。認知症の○○さんが普通に町に出て暮らし、祭りやイベントに参加し、困ったことがあれば地域住民がサポートする社会をいいます。地域住民は認知症について基本的な知識を持ち、認知症が人生のステージとして将来必ず通ることになるという当事者意識を持った上で、認知症当事者が尊厳を持って人生の総仕上げをするお手伝いをする。これが、超高齢化社会を迎える日本の各自治体の目指すべき姿だといえるでしょう。
そう考えたとき、富士見町にはその素質が十分備わっていると感じました。徘徊者の「見つけて会員」が機能していて、認知症について考える集会が定期的に開催されていて、そこに地域住民が50名以上も集まる関心の高さがあります。集会参加者が熱心に議論する姿を見て私は、富士見町なら安心して人生の総仕上げができそうだと感じました。
若い方の移住が増えて来ている、ここ富士見町ですが、定住した後に誰しもに平等に待っているのは、老後の暮らし。そこも踏まえながら是非富士見町への移住をイメージされてみては如何でしょうか?
認知症当事者が参加するのが当たり前の町というのはまさにその逆。認知症の○○さんが普通に町に出て暮らし、祭りやイベントに参加し、困ったことがあれば地域住民がサポートする社会をいいます。地域住民は認知症について基本的な知識を持ち、認知症が人生のステージとして将来必ず通ることになるという当事者意識を持った上で、認知症当事者が尊厳を持って人生の総仕上げをするお手伝いをする。これが、超高齢化社会を迎える日本の各自治体の目指すべき姿だといえるでしょう。
そう考えたとき、富士見町にはその素質が十分備わっていると感じました。徘徊者の「見つけて会員」が機能していて、認知症について考える集会が定期的に開催されていて、そこに地域住民が50名以上も集まる関心の高さがあります。集会参加者が熱心に議論する姿を見て私は、富士見町なら安心して人生の総仕上げができそうだと感じました。
若い方の移住が増えて来ている、ここ富士見町ですが、定住した後に誰しもに平等に待っているのは、老後の暮らし。そこも踏まえながら是非富士見町への移住をイメージされてみては如何でしょうか?
富士見町では積極的に移住したい方のサポートをしております。 移住に興味のある方、一度訪れてみたい方は是非こちらからお問い合わせ下さい。
富士見町役場 総務課 企画統計係
TEL:0266-62-9332
Email:kikakutoukei@town.fujimi.lg.jp