富士見町の暮らし〜標高1080mにある天然氷のスケート場

田んぼのスケート場と富士見町の暮らし

標高1080mにあるこの小学校。
冬になると、校舎の隣りの田んぼに水を入れ、天然氷のスケート場にします。そしてこのスケート場を利用して、低学年の児童がスケートの授業をします。
背後からは大きく雄大な八ヶ岳が見守り、スケート場に立つと目の前には南アルプスの山々が広がるそんな贅沢なスケート場では、氷点下の寒さにもかかわらず元気に滑る子どもたちの笑い声が響き渡っています。

八ヶ岳が見守る天然スケート場
昔からスケートが盛んだった諏訪の地域にあって、ここ富士見町も昔からスケートがとても盛んで、かつては町内の各小学校にスケート場がありました。この小学校でもかつては(と言っても数十年前のことですが)学校の校庭がスケート場になり、冬になると小学校のスケート大会も開催されていたぐらいです。 現在ではそこまで本格的ではなくなりましたが、小学校の授業でスケート遊びがあり、しかもそれが「天然氷のスケート場」でできるなんて、全国的に見ても本当に貴重な体験なのではないかと思います。 ところで、冬はスケート場になるこの田んぼ、春~秋の間はまた別な、重要な役割があります。

稲を育て、お米を作る

横一列に並んで一列ずつ苗を植えていく
それはお米づくり。
この小学校では、小学5年生になるとこの田んぼを利用して、1年間かけて稲を育て、お米を収穫し、そのお米で収穫祭をします。富士見町のあちこちで行われている「米づくり」を、子どもたちが実際に学びます。
泥だらけになりながらの田植えや、参観日に両親や祖父母と一緒の稲刈りは大騒ぎ。
干した稲は、昔ながらの(手動の)脱穀機を使いながら脱穀もしてみます。

そうやって1年間かけて育てたお米。収穫祭でいただく時には、これまで学んできたことと苦労とが一緒になり、きっと忘れられない格別な美味しさでしょう。 このように1枚の「田んぼ」を利用して、富士見町の自然と風習に根ざした、他では体験できない学習をしている小学校の子どもたちです。富士見町内には3つの小学校がありそれぞれで違いはありますが、いずれも都会では体験できない大自然を通した学習をしています。

学校生活を支える地域の活動

ところで、この田んぼのスケート場、これらを支えているのは子どもたちのお父さんやお母さん、そう地域の保護者の方々なのです。

小学5年生の稲刈りが終わった頃、毎年晩秋に開催される親子早朝作業の中で、地域の保護者が力を合わせてスケート場づくりをします。水が外に漏れないように周囲をビニールで覆ったり、ビニールが飛ばないように砂袋でおさえたりと、子どもも大人も力を合わせてスケート場の準備をします。

秋に行われるスケート場の準備作業
その後、田んぼ(スケート場)に水を入れて、人が乗っても大丈夫なぐらいに厚い氷がはるのを待つわけですが、そうそう簡単にスケートで滑られるような氷にはなりません…。

表面がちょっと凍ったとしてもその上に雪が降ってしまえば、雪がそのまま凍ってシャーベット状になったりして、とてもではないですがスケートで滑るには程遠い状態になってしまいます。

そのため、夜、地域の保護者が、川の水をポンプで汲んでスケート場にまく、いわゆる「氷づくり」という作業をします。整氷作業ですね。

ポンプで水をまき、スケートで滑られる氷を作っていく
標高1000mの冬ですから、夜はマイナス10度にもなります。そんな寒さの中でまいた水が朝になると凍り、それを何回か繰り返すと、やっとスケートで滑られるような平らな氷ができあがります。
そう、子どもたちが滑るスケート場の完成です!

大自然の中、天然氷のスケート場で滑る子どもたちを写真で見ると「いいな~」と思う方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、子どもたちにそれを体験してもらうために地域の人や保護者が力を合わせている舞台裏があることもぜひ知っていただければと思います。

実は、このように地域の人や保護者が子供たちの学校生活を支えているのはこれだけではありません。先ほど紹介した親子早朝作業は年に数回あり、文字通り親子が参加して、小学校の草刈りや校舎の窓拭き、落ち葉広いや冬囲い、そしてスケート場づくりなどと、子どもたちが元気に学校生活を送られるように環境づくりをします。
小学5年生のお米づくりも、地域の人からお米づくりを教えてもらったり、どうしてもトラクターなどの機械を使わないといけないところは保護者が協力します。

このように、学校生活の色々なところが地域の人の手によって支えられているのです。

親子早朝作業 この日は草刈りや窓拭き
自然豊かな富士見町で子育てをしたいという方もたくさんいらっしゃいます。
何を隠そうこれを書いている私も、自身が育ったこの自然豊かな環境の中で子どもを育てたいと思ってUターンした口です。子どもの頃にはまったく気づいていませんでしたが、大人になってみると、あぁ~そうやって自分たちの学校生活も地域の人の手で支えられていたんだ…と改めて気かされる一方で、今度は、子どもたちが富士見町の自然の中でのびのびと学べるように作業に参加しています。

富士見町に住むと、大自然と富士見町の文化に根差したここでしか体験できない素晴らしい暮らしが待っています。皆さんには、富士見町に移り住み、この素晴らしい暮らしを体験していただきたいと思います。

あわせて、その素晴らしい暮らしの裏側には地域の人の色々な力添えがあるのだということもぜひ知っていただければと思います。
さらに、この先皆さんがここ富士見町に移り住まれたとしたら、ぜひともその地域の担い手として加わっていただければと思います。
富士見町では積極的に移住したい方のサポートをしております。 移住に興味のある方、一度訪れてみたい方は是非こちらからお問い合わせ下さい。

富士見町役場 総務課 企画統計係
TEL:0266-62-9332
Email:kikakutoukei@town.fujimi.lg.jp

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